lesson1 スティックの選び方

記念すべき第一回目のレッスンはスティック選びです。
これからドラムを始めようと思っている人や、すでにドラムを始めている人にとっても
スティック選びには疑問が沢山あるのではないでしょうか。
かくゆう私もドラムを始めて15〜6年になりますが、いまだに「コレだっ!」と
言えるスティックには出会っておりません。
ここではそういった方々の為にスティックに関する豆知識と
スティックの選定方法についてレクチャーしてみたいと思います。

[スティックの材質]
スティックには大きく分けて「木」と「それ以外の材質」の2種類があります。
まず木についてですが3種類紹介します。

 <ヒッコリー>

 くるみ科の木でスティック材料としては最も有名です。
 特徴として適度な重量感があり、硬く強い特性を持っています。
 サウンドは芯がありとってもクリアです。
 価格は1000円〜1200円程度

 <オーク>

 ヒッコリーより重く、硬くて強い。サウンドはパワフル。
 演奏感はずしりと手ごたえのある感じ。
 価格が800円〜900円程度とヒッコリーより安価な為
 一部の間では「初心者モデル」と思われているが
 これは大きな間違い。単純に木そのものの価格が安いだけなのである。

 <メイプル>

 ギターのネックなどに使われる、とても硬くて軽い材質。
 その為振り回しが楽でハイスピードな演奏に対応しやすいが
 一番折れやすい。しかし、ライドシンバル等の演奏では
 他の材質には出せない独特のサウンド性を持っている。
 価格は1200円〜1400円程度

 <その他>

 あまりお目にかかる事は少ないのですが、上記以外に
 ローズウッド、黒壇、紫壇製などがあり主にクラシックの演奏
 などに使用されることが多い。またマーチングドラムの世界では
 折れることが許されないため合板のスティックなども存在する。
 木以外の材質としては「AHEAD」に代表されるようなカーボン
 ファイバーやアルミスティックなどもあります。
 カーボンファイバーはその材質から折れにくいというメリットがあり
 単価は高いのですが交換ペースが長いので結果的にコストが安くなります。


[チップの形状]
それでは次にスティックの選定で特に気になるチップ(先端部分)の形状について
説明したいと思います。
チップの形状はさまざまですべてをあげる事は出来ませんので大きく分けて
4種類に分類したいと思います。

 <丸型>
 均一なリバウンドと音粒が得られる球形。打点によるばらつきが少ないのでサウンドが安定する。

 <卵型>
 ティアドッロプ(涙型)とも呼ばれる。打点に対する角度によって細かなニュアンスを表現するのに適す。

 <俵型>
 オーソドックスな円筒形。あたりが丸型に近く接触面積が大きいので、音像はやや太くなる。

 <三角型>
 あたり、接触面積ともにとても敏感なためストーローク(振り)によりサウンドを自由にコントロール出来る。

 形状とは関係ありませんが、ナイロン製のプラスティックでできたチップの物があります。
 これは木に比べ若干硬くなる傾向があり音も当然硬めのサウンドとなる。耐久性にも優れています。

以上の事から分かるように、スティックを選ぶ際には「これは良いが、これは駄目」というようなものは無く、自分の演奏するスタイルや曲調、自分の一番使いやすい物を選ぶという事が重要なのです
「だから、それをどうやって選ぶのよ?」というお声が聞こえてきそうですので(^^;早速、選定法に進んでみたいと思います。

[スティック選定方法]
○まずはお店選びですが、とにかく沢山のスティックが置いてあるお店に行ってください。
 (最低30種以上、そして1種につき15本ぐらい在庫がある店)

○その中から手当たり次第に2本ずつ選んで売り場近くに置いてある練習台
(コレを置いてない店は×)をとにかく叩いてみましょう。そうすると、なんとなくですが
「ん?ちょっと重い(軽い)かな?」とか「なんか太すぎる(細すぎる)かな?」とか
「なんかやだ・・・」とかいろいろな感覚を覚えると思います。

○そうやりながら「あー、なんとなくコレいいかも!(^^)!」という感じで自分にしっくりくる一本が見つかるはずです。
この時に上で書いたような材質やチップの形状を少し念頭に入れながら選ぶとなおいいかと思います。

余談ですが、メーカーからはまったく同じ形状(長さ、チップの形、グリップ形など)のスティックで3種類の木材を用意している物もあります。ひとつ気にいったスティックが見つかったらすべての材質で試してみるのもいいですよ。またそういったラインナップを揃えてる店も良い店だと思われます。
○お気に入りの1本が見つかったら(なんとなくでOK!)、今度はそこにある全ての在庫を引っ張りだしてそばに置いてある「量り」を使って(コレを置いてない店も×)重さを量り、同じ重さの物をあるだけ揃えます。(同じスティックでも実は1本1本重さが微妙に違うのです。+/-で1グラムを目安にします)

○今度は重さがそろった数本のスティックを平らのところで静かに転がしてみてください。
 (これはお店によってそういう場所が無いところもありますが、「出来るショップ」は店員さんに一声かければ場所を用意してくれます。万一嫌がられたらさっさと店を出ましょう(^^;
すると、「コロコロ」とすんなり転がるやつもあれば、「グワン・グワン」と転がりにくいやつが必ずあります。すんなり転がるやつはまっすぐな状態ですが、不規則な転がり方をするものは「反って」います。

スティックは木で出来てる以上いずれはどうしても反ってしまいますが、なにも新品の状態から反っているものを選ぶ必要はありません。出来の悪い子はそっと棚に戻してあげましょう(笑)

○私の経験からいくと、こうやって選定していくと最終的に重さが同じで、反りの無いまっすぐなものが手元に残るのは4〜5本です。今度はその残ったものの中で、見た目にきれいな物(年輪がなるべくまっすぐでフシなどが無いもの)を最終的に2本選んで下さい。

○最後にそれをもう一度両手に持って、練習台を叩いてみてください。左右のスティックを持ち替えてみて重さや振った感覚に違和感が無ければ、お疲れ様でした!それがあなたのスティックです。(ちゃんと忘れずにお金払ってくださいね)笑
という方法でスティックを選んでいくわけですが、どうでしょう選び方は分かりましたか?
ここで気付かれた方もいらっしゃるかとは思いますが、そうですスティック選びには「時間」が掛かります。スティックはドラマーと楽器をつなぐインターフェースです。直接手に触れる物であるだけにドラマーとしては一番気を使わないといけないところなんです。時間を掛けてゆっくり選んで下さいね!

では最後にステイック選びの大切なポイントのおさらいと、手前味噌ですが私の現在使用しているスティックを紹介します。私の使っているモデルは比較的オールラウンドモデルですので、どうしても選ぶのに困った人は一度使ってみると良いのではないでしょうか。
<ポイント>
 1)スティックは時間に余裕を持って、じっくり腰を据えて選ぶべし。
 1)種類、在庫ともに沢山置いてある店を選ぶべし。
 1)練習台、量り、転がす場所があり店員さんが親切な店を選ぶべし。
 1)他人の意見ではなく、自分が実際に振ってみて感じが良い物を選ぶべし。
 1)重さ(+/-1グラム)が同じで、まっすぐな物を選ぶべし。


  私が現在愛用中のスティック (2003年1月現在)

 ●VATER(ヴェーター社製) 山木秀夫モデル(Holy Yearning) メイプル(卵型) L.16" D..580"

  とにかくさまざまなジャンルで使用中、主にフュージョン系サウンドが欲しいときに使ってます。

 ●VATER(ヴェーター社製) Cymbal Sticks (Ball) メイプル(球型) L.16" D..570"

  ジャンルはあまり選びませんが、ライドサウンドを変えたいとき山木モデルと平行して使用します。

 ●VATER(ヴェーター社製) (Fusion) ヒッコリー(球型) L.16" D..580"

  フュージョンと名前がついてますが、パワーがあるので主にロック系サウンドが欲しいとき使ってます。

 ●VATER(ヴェーター社製) (Super Jazz) ヒッコリー(卵型) L.16" 1/4" D..555

  私にはやや細手です。主にジャズなどのコンボ系セッションやアコースティック時に使用してます。



と、現在は上記4種類を出したいサウンドによって使い分けています。
今までにドラムを始めてから10数年あまり一度たりとも同じスティックを買った事はなく、買いに行くたびにいろいろなスティックを試してきました。その結果、ようやくこの4本にたどりついたと言う感じです。ここしばらく3年ほどはこのスティックしか使っておりませんが、またなんらかのきっかけで新しく違うスティックへと変わっていくことでしょう。皆さんもスティック選びに一度こだわってみてはいかがでしょうか・・・。
最後に・・・
スティックの知識とその選定方法について簡単に説明してみました。
私の生徒さんやその他いろんな人によく言われるのですが、「スティックはどうやって選べばいいのでしょうか?」と・・・。そういった方々の為にまずこのページを書いてみましたが、ひとつ忘れないで欲しい事はスティックは残念ながら消耗品であるということです。上にも書きましたが、時間や保存状態による反り、シンバル打痕による欠けなど時間がたつごとに劣化していきます。最初は初めての買い物であることから慎重になりすぎて訳が分からなくなる事がありますが、練習を積み技術が上がれば今使っているスティックから新しい物への興味も沸いてくると思います。、消耗品であるということを念頭に置いて、今は気楽にスティック選びを楽しんで下さい。しかし、その1本が次のステップへあなたを導いてくれることに間違いはありません。消耗品ではありますが、使用後は汗をや汚れをふき取り、出来れば専用ケースなどに入れて愛着を持って接してあげましょう。このページをきっかけにあなたに素晴らしいドラムライフが開ける事をお祈りいたします。